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大学院

研究科長挨拶

岩手保健医療大学大学院 研究科長
岡田 実

 F.ナイチンゲールはかつて、19世紀の女性たちが実践の足を後ろに残し、知性の足だけを前に踏み出し、不安定にも“斜めに立たされている現状”にあると指摘しました。どうすれば知性(理論)と行動(実践)のバランスを手にできるかというテーマは、その後、知識欲と行動欲を共に満たす看護専門職能の開発と実現に結実します。21世紀に生きる私たち看護職は、既にこの調和を手に入れたでしょうか。AIの時代に生きる私たち看護職が、質の高い“仕事”を実現できる“替えのきかないプロフェッショナル”として、この時代に生き残るためにも、勇気をもって大学院への道に進んで欲しいのです。また、保健医療福祉の現場において、これはと思う人材が間近におられましたら、職場長の皆様はどうかその方の背中をプッシュし、職場をあげて応援していただきたいと思います。こうした人材育成に向けた投資は、今後、必ず職場の活性化につながります。また、その人材を通じて今後も大学との連携協力が可能になります。

 限られた修業年限ですが、指導教員や修士論文作成まで苦楽を共にする同期生と交流を深め、修了の暁には、お世話になった職場の皆様に大学院での学びを還元できるように、そして大学との繋がりを末永く持ち続けて欲しいと願っています。

看護学研究科の教育理念

 21世紀の我が国における看護学領域の研究と多様化する高度医療ニーズに対応できる人材として、確かな医療や看護の倫理観を備え、広い視野と深い人間理解に基づき、保健、医療、福祉等の幅広い知識と看護実践力を身につけた看護専門職者を育成します。

3つのポリシー

アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)

  1. 専門性の高い看護学の修得を志向する人
  2. 看護学専攻の教育を受けるための基礎的な知識や技術を有する人
  3. 看護学の教育・研究者として、看護学や看護実践の発展に貢献する意欲を有する人
  4. 看護学や看護実践に対する高い探求心を持ち、主体的に学修する意欲を有する人

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成方針)

  1. 広い視野で看護を捉えるため、看護実践力、教育力、研究力に有機的につながるような理論・専門的知識を学ぶことのできる科目を配置する。
  2. 看護に対する科学的探究心を培い、専門的知識、態度、論理的思考を統合し看護実践に応用することのできる能力を養える科目を配置する。
  3. 臨床現場が抱える倫理的諸問題やこれまでの研究成果や課題、看護実践の質を分析、評価する意義と方法等を学ぶ科目を配置する。
  4. 教育・管理・指導的な立場で看護職のリーダーとして活躍するとともに、保健・医療・福祉チームの一員として協働する際に必要な知識やスキルを身に付ける科目を配置する。
  5. 社会の多様な状況に応じた看護を提供するため、知識と研究を有機的に結び付けた管理能力を身に付けるための科目を配置する。

ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)

  1. 広い視野と深い人間理解に基づく臨床実践能力と看護学の教育能力を有している。
  2. 健康に対する社会的ニーズを認識し、課題解決のために科学的探究心に根差した研究能力を有している。
  3. 社会の多様な状況に応じた看護を提供するために、高い倫理観に基づいた看護実践能力を有している。
  4. 保健・医療・福祉チームの一員として、多職種集団と連携することのできる能力を有している。
  5. 保健・医療・福祉の分野の種々の課題に対し、判断力、調整力、改革力を伴う優れた看護の管理能力を有している。

カリキュラム

 岩手県における臨床看護研究、臨床看護教育、臨床看護実践力、チーム医療の推進、看護管理領域の強化を目指すこととし、「基礎・地域連携看護学領域」「臨床・応用看護学領域」「看護管理学領域」の3つの看護学専門領域を設け、教育を展開します。各専門領域ごとに看護学特別研究において、修士論文作成の指導を行います。

基礎・地域連携看護学領域

 様々なライフサイクルや健康段階にある人々への看護実践の基盤となる看護援助を探求します。看護実践の理論的背景、根拠に基づく看護援助技術の実証的研究を行います。地域で生活する人々とその家族、療養中の看護の対象者など、さまざまな状況の看護について探求します。さらに、看護の場を限定せず、地域包括ケアシステムにおける看護課題を研究します。

臨床・応用看護学領域

 看護援助における科学的根拠に基づいた臨床研究を行います。老年・母性・小児・精神看護学の各々の臨床領域における効果的な看護援助の要因分析、援助方法の開発・実施・評価に関する研究を行います。また、地域で生活する人々とその家族、入院や治療中の看護の対象者など、さまざまな状況にある人々の看護について研究し、対象者及びその家族の看護についての調査を進めます。さらに、看護の場を限定せず広く看護学的観点から健康問題を明らかにし、保健・医療・福祉との連携を図りながら、保健・医療・福祉施設のみならず学校・地域・コミュニティにおける看護課題を研究します。

看護管理学領域

 看護管理学に関する科学的根拠に基づいた臨床研究を行います。看護管理者に必要とされる組織運営、組織調整、組織構築、経営、看護行政・政策に関する研究や看護学的観点からの看護組織の構築と運営、施設の経営参画についての課題を明らかにし、看護組織が果たす役割について研究します。また、各々の臨床領域における効果的な看護援助の要因分析、援助方法の開発・実施・評価に関する研究を行うとともに、地域で生活する人々とその家族、入院や治療中の看護の対象者など、様々な状況にある人々の看護について、看護学的観点から対象者及びその家族の健康問題を明らかにし、保健・医療・福祉との連携を図りながら調整・管理する上で必要な要件について研究します。

有職者に対する特別な配慮

 本学では、職業を有している等の事由から履修や研究の時間が限られる大学院生については、長期履修制度を活用し、計画的に修業できる道が開かれています。

長期履修生制度

 本職業を有する等の事情により、標準修業年(2年)を超えて一定の期間(3年)にわたり計画的に教育課程を履修し、課程を修了することを申し出た場合は、審査の上、計画的な履修を認めます。長期履修生の授業料(年額)は、通常の授業料の年額に2年を乗じた額を、3年で除した額とします。本制度の詳細につきましては、研究指導を受ける予定の教員にご相談ください。

履修形態の弾力化(夜間開講・休日開講)

 職業を有する等のため、昼間だけでは学修が困難と予想される学生のために、履修形態を弾力化します。平日のⅥ時限(18:00~19:30)土曜日Ⅰ~Ⅳ時限(8:50~16:10)にも授業を行い、働きながら学修が進められるよう配慮します。

遠隔授業の実施

 遠隔地においても学修が可能となるよう、授業の一部を双方向対面が可能なZoom形式等のインターネット通信を活用し、自宅や職場での受講を可能にしています。本学ではこうした通信環境を整え、遠隔授業のノウハウを熟知した教員が、大学院生の学修や修士論文の作成を支援します。

教員紹介

分野 職名 氏名
連携協力教員 教授
臨床倫理研究センター長
三浦 靖彦
准教授上田 耕介
講師牛渡 亮
基礎・地域連携看護学領域 教授永井 睦子
教授鈴木 るり子
教授大沼 由香
准教授石井 真紀子
臨床・応用看護学領域 教授吹田 夕起子
教授江守 陽子
教授橋本 美幸
教授
学長
濱中 喜代
教授
研究科長
岡田 実
看護管理学領域 教授伊藤 收
教授土田 幸子

お問い合わせ

岩手保健医療大学 大学院担当 学務課 小松俊太郎
TEL:019-606-7030
E-mail:gakumu★iwate-uhms.ac.jp
(メールを送信される場合は★を@にしてください)
Googleフォーム:https://forms.gle/pmd4gGQ4b9cMHQ9C9